ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(32=志成)が31日、東京・大田区総合体育館でWBA世界同級王者ジョシュ・フランコ(27=米国)との2団体王座統一戦に臨む。ミニマム級に続き、日本人初の2階級での王座統一を目指す舞台は11度目の大みそか興行となる。過去10回の年末決戦をピックアップし、世界4階級制覇王者による年の瀬の激闘を振り返る。

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◆秒殺KO 11年、WBA世界ミニマム級王者として2度目の防衛戦としてヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)と拳を交え、1回1分38秒、TKO勝利。右ボディーでダメージを与え、左フックでとどめを刺した。大みそか第1戦での秒殺KO劇が大きなアピールとなった。

◆世界2階級制覇 12年は前WBA世界ライトフライ級暫定王者ホセ・ロドリゲス(メキシコ)との同級王座決定戦に臨み、6回2分50秒TKO勝ち。1回に右フックでダウンを奪取。6回に右ストレートでダウンを追加し、さらに右ストレートで仕留めた。

◆無敗対決 13年、WBA世界ライトフライ級王座の3度目防衛戦としてフェリックス・アルバラード(ニカラグア)を3-0の判定で撃破。現IBF世界同級王者でもある強敵アルバラードとの打ち合いを制して存在感を示した。

◆返り討ち 15年は同年4月に2-0の判定で下した前WBA世界フライ級王者フアン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)との再戦となった。11回1分57秒TKOで、2度目の防衛に成功。史上最速で3階級制覇を成し遂げた前回対決に続き、レベコの返り討ちに成功した。

◆引退会見 17年は大みそかに横浜市内で記者会見し、引退表明。TBS系列で生中継される中で「目標である3階級制覇を成し遂げた。5度目の防衛戦(17年4月)の前に引退を決意した。今日をもって引退します」と話した。

◆大みそか初黒星 18年7月、現役復帰を表明。同年大みそかはマカオで、4階級制覇を懸けてドニー・ニエテス(フィリピン)とWBO世界スーパーフライ級王座決定戦に挑んだものの、1-2の判定負けを喫した。

◆注目の日本人対決勝利 20年は元世界3階級制覇王者田中恒成(畑中)との日本人対決。2度のダウンを奪い、8回1分35秒TKO勝ちを収めた。年間最高試合に選出された勝負となったものの、この試合のドーピング検査で井岡の検体から陽性反応を示して騒動に。その後、日本ボクシングコミッションの不手際で起こった「偽陽性」として潔白が証明された。

◆コロナ禍乗り越え 21年は、当初、IBF世界同級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との2団体王座統一戦が発表されながら、オミクロン株拡大の影響で中止に。急きょ、当時WBO世界同級6位(当時)にランクされていた福永亮次(角海老宝石)との4度目防衛戦に臨み、判定勝利を収めた。