現役医師のキックボクサー、MASATO BRAVERY(岡田将人、30=BRAVERY GYM)がKNOCK OUT-BLACKスーパーウエルター級3分3回(延長1回)で渡慶次幸平(34=クロスポイント吉祥寺)と対戦し、延長KO負けした。医学部生だった21年12月に1度競技生活を離れたが、昨年末から復帰。約1年3カ月ぶりの実戦でドクターとしての初勝利を狙ったが惜しくも届かなかった。

序盤は三日月蹴りなどボディーを狙う攻撃で組み立て、流れを引き寄せた。しかし、3回からやや足が止まると、RIZIN参戦経験もある相手が反撃。両者唯一のダウンを奪われて3回を終えた。

ジャッジは3人中2人がドローとし、試合は延長へ。互いに疲れの見えた終盤はパンチの応酬となり、1度目のダウンを奪われたあとの終了間際に渡慶次の左フックがMASATOの顔面にヒットして2度目のダウンとなり勝負が決した。

MASATOは「2回目の途中まではいけると思ってやっていました」と手応えを持って戦えていたと振り返り「最後にスタミナが切れた時に、気持ちが現役まで戻っていなかった。気持ちでのまれてしまったかなと思います」と語った。

試合前には「しっかり相手の試合動画を見てカルテを作りたい」と語っていた。ボディー狙いの攻撃など「やりたいことは全部出せたので悔いはない」と口にし「セコンドからは相手に近づくなという指示も出ていましたが、最後は体力もなく、指示を聞けずに前に出て被弾してしまった。そこは反省点でした。少し休んで今後のことは考えていきたい」と話した。

MASATOは国家試験合格後の昨春から関東の病院に勤務しており、医者と格闘家という異例の二刀流ファイターとして活動している。この日は病院関係者らも多く応援に駆けつけていたといい「本当に感謝しています。勝利を届けられなくて申し訳ない」と悔しさをにじませ、会場をあとにした。

◆MASATO BRAVERY(まさと・ぶれいぶりー)1993年2月15日、大分県大分市出身。本名岡田将人。大分上野丘高校卒業後、アルバイトで費用を稼ぎ、13年4月から単身タイへ。約1年半ムエタイ修行を積んで帰国し、16年4月から大分大医学部で学びながら活動を開始。16年11月に東京・ディファ有明で行われたWPMF(世界プロムエタイ連盟)の大会でプロデビュー。18年6月、東京・新宿FACEで行われたタイトル戦に勝利し、WPMF日本ウエルター級王者となる。プロ通算成績16戦10勝(5KO)5敗1分け。男4人兄弟の長男。身長177センチ、血液型A。

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