アマ13冠でプロボクシング東洋太平洋フェザー級3位の堤駿斗(23=志成)が名参謀とのコンビで国内最速となるプロ3戦目での同王座獲得を狙う。

31日に同級4位のジョー・サンティシマ(26=フィリピン)との王座決定戦(東京・後楽園ホール)を控え、24日に東京・目黒区の所属ジムで練習を公開。サンティシマ戦から、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏(43)や、元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)を担当してきた佐々木修平トレーナー(37)とのコンビで、プロ初KOを狙う。

ワタナベジムのトレーナー時代に内山氏を担当した佐々木氏は、07年からミット担当、そして10年からはメイントレーナーとして11度防衛をサポートした。井岡も東京農大の先輩、後輩の関係性から18年からトレーナーとして支えている。その佐々木氏と2月からコンビを組んだという堤は「内山さんの時のパンチを聞いたりして試しています。左ボディーは今までの打ち方とは違う。すごくミットは合っていますね。試合の作戦も(佐々木)トレーナーと確認して感覚を研ぎ澄ませていきたい」と“内山流”で臨む姿勢をみせた。

コンビを組んで約4カ月と短期間ではあるものの、佐々木トレーナーは「左のリード(ジャブ)がうまかったり、内山さんと似た部分がある。左ボディーもちょっと内山高志さんのような打ち方とタイミングになりましたね。次の試合で出るかもしれないです」と、その吸収力にうなずいた。

東洋太平洋王座の国内最速は田中恒成、清水聡のプロ4戦目。プロ3戦目で獲得すれば日本記録となる。過去プロ2戦はいずれも判定勝ちだった堤はKOへの意識を高めつつ「日本記録がかかっているのは自分の中であまり気にしていない。目の前の試合に勝てば記録がついてくる。負けられない試合に勝つことを自分のテーマにしています」と気を引き締めた。

16年世界ユース選手権(フライ級)で日本男子として初めて優勝を飾るなど、アマ13冠を誇るアマエリートは区切りの1戦に向けて集中している。