全日本プロレスの“極悪暴走男”諏訪魔が、聖人になった? 諏訪魔は前日29日の全日本の後楽園大会でノアの「金剛」の拳王、征矢学組に敗れ、世界タッグ王座奪取に失敗。さらには極悪軍団「ブードゥー・マーダーズ(VM)」から追放されていた。地獄のような日から一夜明け、藤波辰爾主宰のドラディション旗揚げ15周年興行のセミファイナルに登場。長井満也&シュン・スカイウォーカーとタッグを組み、関本大介&岡林祐二&MAZADAと対戦。試合は、長井がキャプチュードバスターで、MAZADAから勝利を飾った。

バックステージに登場した諏訪魔は「おれ、びっくりした。あんたいい人だな~」と長井の肩をたたいた。前夜に、VMの斉藤兄弟からマーダーバック(黒い死体袋)に入れられた諏訪魔とは思えないほど、笑顔の男性がそこにはいた。長井は「俺、ドラディションだけでは人気なんだよ」と言うと、2人は豪快に笑った。

しばらくして、長井から「あれ、お前昨日負けているのに、吹っ切れているじゃねぇか」と痛いところを突っ込まれると、諏訪魔は「いや、うぅ、いや」と、しどろもどろ…。何とか「本当は今日、藤波辰爾をマーダーバックに入れるはずだったんだよ」と返すと、長井に「待って、お前、呼び捨てにしたろ?」と冷静に突っ込まれた。諏訪魔は最初は「いいんだよ」と言っていたが、冷静を取り戻したのか「違う、違う。藤波辰爾さんです」と素直な諏訪魔だった。

長井が先に控室へと姿を消すと、諏訪魔はもう強がることをやめた? 「藤波さんに、『ドラディションのリングにようこそ』って直接言ってもらえたので、それは俺にとっては、すごい一番うれしかったことだな。俺にとって、今日の試合はプラスになったと思う」と、VMの面影がないほど、スッキリとした表情を見せた。「自分自身が今後どうしようか、迷っている、考えている時期なんだけど、いいヒントになったと思いますよ」。極悪暴走男の象徴でもある、赤髪はまだ健在だが…。今後の諏訪魔の動向に注目が集まる。