10月31日。世間はハロウィーン当日。女子プロレスSTARDOM(スターダム)のリングの超貴婦人・桜井まいは、東京・代々木に姿を現した。「渋ハロ来ないで」話題の中、この土地でもポツリポツリと見受けられるコスプレ女性たち。超貴婦人様のお召し物も、非日常感が残る日常のスタイル。ただ、都会の喧噪(けんそう)をさっそうと歩かれるその姿は、「超貴婦人」以外の形容がつかない。

超貴婦人様は、あたりをキョロキョロと確認されると、あるビルに足を踏み入れられた。ここは、そう。富士そば本社。過去に富士そば道玄坂店で未発売のカレーパン丼の試食をなされ、門前仲町店では、カレーパン丼を1日数量限定で販売なさった。今度は何か-。私は富士そば関係者に呼ばれただけ。超貴婦人様に、あいさつすると、「ごきげんよう。ワタクシも今日、何があるのか、分からないですの」と、いつもの笑顔が返ってきた。

すると、奥の部屋から現れたのは、富士そばを展開するダイタンホールディングスの代表取締役社長の丹有樹氏だった。超貴婦人様はかねてリング上、SNSなどで「庶民は富士そばでも食ってなさい」と連呼してきた。その影響もあり、試食会、販売会に呼ばれ、ついに社長との対面まで果たされた。丹社長は、超貴婦人様との初対面に「貴婦人そのものですね」と笑顔を浮かべた。

秘密裏で進められていた超貴婦人様の来社。今回、富士そばは、新商品の試食会を打診した。貴婦人様は先日、超貴婦人化計画でフランスへ修行に行かれていた。その話を耳にした富士そば側は、「おフランス」をテーマに、2品を用意していた。

1品目は「エスカルゴ天そば」。温かいそばの上に、エスカルゴのかき揚げ、バジルが載せられたおしゃれなもの。2品目は、富士そば担当者側によれば「ナポレオン?」。温かいそばの上に、ソフトシェルクラブの天ぷら…。こちらは食べづらさ、コスト面もあり、早々に“ボツ”となったが、エスカルゴ天そばは大好評。丹社長も「バジルが効いているね」と太鼓判を押せば、超貴婦人様も「すごい、おしゃれな、かき揚げの味がしますわ。お高級の味がしますわ」と、目を細めた。

今回のエスカルゴは、富士そば担当者によると「アフリカマイマイ」という食用かたつむり。くしくも、超貴婦人様の幼少期のあだ名も「マイマイ」「かたつむり」だったが、同担当者は、さすがに知らなかったようで「たまたまです」と焦っていた。超貴婦人様は「昔、小学校のお先生が、いきなり『カタツムリはマイマイって言うんだよ』って話し出して、そこから周りから、言われ始めましたわ」と経緯についてご説明なされた。「全然気になりませんでしたわ」と、いつでも前向きな超貴婦人様だった。

懐かしい思い出に触れられた超貴婦人様は「ところで、富士そば様は、海外には店舗がございますが、国内では関東圏にしかないと聞きました。庶民の皆さまから『食べに行きたいけど、店がない』というお声を聞きますの。関西圏、全国にもつくっていただきたいわ」と、新たなご要望を出された。このビッグプラン。果たして、超貴婦人様が掲げる日本統一の夢は-。【栗田尚樹】