UFCフライ級ファイター平良達郎(23=Theパラエストラ沖縄)が日本人最多タイとなるUFC5連勝で24年の「年男イヤー」へはずみをつける。8日(日本時間9日)、米ネバダ州ラスベガスのUFC APEXでカルロス・ヘルナンデス(30=米国)との同級5分3回を控える。7月のエドガー・チャイルズ(メキシコ)戦以来、約5カ月ぶりのオクタゴン(金網)となる。

8日までに日刊スポーツのインタビューに応じた平良は「UFCで4戦して、ある程度の相手と戦った。次も、このレベルではないよということ証明し、(UFCに)ランキング選手と対戦させてあげないといけないと思わせられるような試合をみせたい」と口調を強めた。5連勝ならば、14年5月に水垣偉弥がマークして以来の日本人最多タイ記録に到達する。

当初は10月に決まっていたダビッド・ドボジャーク(チェコ)戦が相手事情で中止となり、今回も中国・上海からラスベガス開催に変更された。対戦相手や試合会場が代わっても平良は「(10月の)中止と最初に聞いた時は『なくなったか』という気持ちになりましたが、ほぼ平常心でした。僕の試合したい気持ちをくんでくれて、12月9日の試合も組んでくれましたし、モチベーションもあがっています」と前向き。10月中旬から約1カ月間、米コロラド州でトレーニングも行い「結構、この5カ月間は自分のMMA(総合格闘技)を見つめ直す良い期間にあります」と振り返る。

対戦相手となるヘルナンデスは打撃を得意とするファイターのため、平良は「ボクシングが得意な選手。勝っている試合をみても判定が多い。意識して相手の(有利な展開となる)ヤマを作らせない」と警戒しつつも、内に秘めた自信を示す。「相手の心理まで読むではないですけど、常に相手の嫌がることをしたい。この動きが嫌だなとか思わせられる展開づくりをしたい。それで気持ち的にもスタミナ的にも僕に余裕が生まれて相手が削れていくと思うので、その中でフィニッシュできたらいい」とUFC5連勝へ、気合を入れ直した。

来年は24歳の年男イヤーを迎える。平良は「来年はベルト取りたいという気持ちは強い。僕が辰(たつ)年なので、来年は調子いいかなと思っている。こっちの選手との練習でMMAのレベルの高さを感じて簡単にはいかないよなと思っていますが。本当にランキングの選手たちと戦っていって、順位を上げたい。最低でも上位ランカーにはなりたい。王座挑戦の一歩手前ぐらいには」との青写真を描く。日本人初のUFC王座獲得を来年の目標に掲げ、まずは日本人最多タイとなるUFC5連勝を目指す。【藤中栄二】

 

◆平良達郎(たいら・たつろう)2000年(平12)1月27日、沖縄・那覇市生まれ。城岳小、神原中時代は野球に没頭。小禄高1年時、兄が通っていたジムに入門し、総合格闘技を開始。17年に全日本アマチュア修斗フライ級で優勝し、沖縄大在学中の18年に修斗でプロデビュー。同年に開催された修斗新人王決定トーナメント(フライ級)を制覇し、MVPを獲得。21年には修斗フライ級王者に。プロ戦績は14戦全勝。家族は両親と兄、妹。170センチ、66キロ(通常体重)。