プロボクシングWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)が26日、東京・有明アリーナで開催されるWBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)との4団体王座統一戦に臨む。この勝者に対し、既に次期挑戦者として2選手が内定している。WBAの指名挑戦者は前WBAスーパー、IBF世界同級王者ムロジョン・アフマダリエフ(29=ウズベキスタン)、WBCの指名挑戦者は元WBC世界同級王者ルイス・ネリ(29=メキシコ)となる。

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アフマダリエフは今月、4月のタパレス戦以来の再起戦を飾った。17日に米グレンデールで開催されたケビン・ゴンサレス(メキシコ)とのWBA世界同級挑戦者決定戦に臨み、6回に2度、9回にもダウンを奪って攻め込んだところでレフェリーストップによる8回TKO勝ち。昨年6月に左拳を骨折した影響もないようで、4月にタパレスに判定負けしてからの再起にも成功した。

タパレスに1-2の僅差判定負けでプロ初黒星を喫していたアフマダリエフは「前の試合(タパレス戦)で私は勝ったと思っていた。自分のモノ(世界王座)を取り戻しに来た」と井上-タパレス戦の勝者を待ち構えている。

アマ時代は15年世界選手権銀メダル、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)バンタム級銅メダリストというアマエリートだ。18年3月にプロデビューし、英プロモート大手マッチルーム社と契約した。20年1月にWBAスーパー、IBF世界スーパーバンタム級王者ダニエル・ローマン(米国)を下し、2団体統一王者となった。21年4月にはIBF世界同級暫定王座岩佐亮佑を下し、団体内の王座を統一に成功。今年4月にタパレスに負けるまで3年以上にわたってタイトルを保持してきた。

また、アフマダリエフとともに王座挑戦を待っているのが、元世界2階級制覇王者ネリとなる。今年2月、米ポモナでアザト・ホバニシアン(アルメニア)とのWBC同級挑戦者決定戦に臨み、10回にダウンを奪うなど11回TKO勝ちで次期挑戦者となった。11月のWBC年次総会(ウズベキスタン・タシケント)で同団体マウリシオ・スライマン会長から正式に井上-タパレス戦の指名挑戦者を命じられた。

今年7月、フローイラン・サルダール(フィリピン)との10回戦で2回TKO勝ちし、世界王座返り咲きへの“前哨戦”を終えた。米メディアに対し、ネリは「(井上-タパレス戦の)勝者を待っている」と発言している。

ネリは17年8月、当時のWBC世界バンタム級王者山中慎介に挑戦し、4回KO勝ちで新王者となったものの、その後の薬物検査で陽性反応が検出。18年3月には立場を変えて山中の挑戦を受けたものの、今後は前日計量で体重超過した。山中との再戦には勝ったが、同王座は空位となった。その経緯から、ネリは日本ボクシングコミッションから国内の無期限活動停止処分を受けている立場にある。

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