WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)が史上2人目となる2階級での4団体統一に成功した。WBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)にTKO勝ち。スーパーライト級、ウエルター級で4団体統一に成功したテレンス・クロフォード(米国)に続き、史上2人目の快挙となった。WBC、WBO王座の初防衛にも成功した。

「まず、対戦を受けてくれたマーロン・タパレス選手、本当に感謝したいと思います。ありがとうございました」と、真っ先に対戦相手への感謝を口にした。続けて「約1年ぶりに、まあ、階級は違いますが、1つ上げて、こうして4本のベルトを集めることができたのも、こうして皆さんのおかげです」とファンへの感謝、さらに大橋ジムの大橋会長やスポンサーらへの感謝を口にした。

「スーパーバンタム級では、こうして4つのベルトを集めましたが、今の適性階級はスーパーバンタム級だと思っているので、来年、再来年と、またこの階級で、もっと強い姿を見せられるように精進していきたいと思います」と、当面は統一したベルトの防衛に尽力する考えを公言した。

タパレスについては「非常にタフで気持ちの強い選手でした。自分が戦前に予想していた通りの選手でした。またその選手に、10ラウンド、TKOで勝つことができて、自分がやってきたことが証明されて、本当にホッとしています」と、強敵だったと認めた上で、安堵(あんど)感を口にした。手応えを感じた場面について問われると「ポイント的にリードしているなというのは、感覚的につかんでいたんですけど、非常にポーカーフェースで、効いている様子は、すごく耐えていたので、正直、10ラウンドで崩れ落ちた時にはビックリしましたけど。ただ、相当自分もいいパンチを蓄積させていたので、相当ダメージがあったのかなと思います」と語った。

陣営の緊張感についても「戦っていて、1発のパンチもありましたし、それはセコンド陣営もすごく感じていただと思うので、自分も非常にピリピリしながら試合を進めることができました」と話し、緊張感が感覚を研ぎ澄ましたという。

来年については「来年、5月にうわさされている試合が実現するかどうかは、またこれから交渉を詰めていくところですけど、皆さんファンが喜ぶような試合、見たいという試合を実現していきたいなと思いますので、どんどん声を上げていただけたらなと思います」と、ビッグマッチ実現への意欲を口にした。「また今日、こうして皆さんの前で、いい試合をお見せすることができて、自分自身、本当にうれしく思います。今年も残すところ、あと数日です。皆さん、来年もよい年をお迎えください。応援ありがとうございました!」と話して締め、大歓声を呼んだ。

井上尚弥が史上2人目の2階級4団体統一!右ストレートでタパレスを10回KO/ライブ詳細