23年ボクシング年間表彰式が19日、東京ドームホテルで開催された。6年連続7度目の最優秀選手賞に輝いた4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)が選手代表としてあいさつ。昨年12月26日に日本バンタム級王者堤聖也(角海老宝石)に挑戦した後に開頭手術を受け、2月2日に死去した元日本同級ランカー穴口一輝さん(真正)を追悼した。この試合は、23年の年間最高試合(世界戦以外)に選出されていた。

井上は「僕らは覚悟を持ってリングに上がっています。そしてボクシングとは勇気や感動を与えるとともに常に危険と隣り合わせのスポーツなのだということを再認識しなければならないこと。そして僕が今ここでお伝えしたいことは、12月26日の国内の年間最高試合を受賞した穴口選手の試合は、あの日見たファンのみなさんの心の中で生き続け、輝き続けると思います」とスピーチした。

穴口さんの試合は、井上がマーロン・タパレス(フィリピン)との4団体王座統一戦に臨む前のセミファイナルで行われ、所属ジム興行でもあった。事前に大橋秀行会長(58)と相談してあいさつの内容を決めたという井上は「表彰式で、やはり選手代表ということで話させていただきました。伝えたいことはあれだけではなく、いろいろあります」と心境を明かした。大橋会長は「素晴らしい良いあいさつだったと思う」と話した。