プロボクシングWBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王者井上浩樹(31=大橋)がリベンジの王座統一戦に臨む。22日、東京・後楽園ホールで開催されるフェニックスバトル110大会(日刊スポーツ新聞社後援)のメインで東洋太平洋同級王者永田大士(34=三迫)との王座統一戦を控える。21日には東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、両者ともにリミットより100グラム少ない63・4キロで一発クリアした。

昨年8月、アブドゥラスル・イスモリロフ(ウズベキスタン)との王座決定戦を10回TKO勝利し、王座返り咲きに成功した井上にとって約6カ月ぶりのリング。「今回の試合は僕の人生です」と言い切った。東洋太平洋王者永田とは20年7月に日本同級王者として迎え撃ったが、7回TKO負けを喫して王座から陥落。直後に引退を表明した経緯もある。

いとこの4団体統一スーパーバンタム級王者の尚弥(30=大橋)らの後押しで22年2月から現役復帰。約3年ぶり7カ月ぶりの再戦はリベンジを狙う舞台となる。井上は「昔はなかなか(永田戦を)見られなかったが、今回は目に焼き付けて練習してきた。気合は入っています」と口調を強めた。引退前は故障に泣かされ、納得いく練習が積めないままでリングに上がっていたが、引退中に体のメンテナンスを完了。井上は「もう1回も負けないために頑張ってきた。今は勝ちたい。それだけ」と気合を入れ直した。

一方、22年12月に東洋太平洋王者を獲得し、永田も初防衛戦が王座統一戦となる。「さらに強くなった井上浩樹選手に挑戦することだけを考えている。引退して王者になって帰ってきた。リスペクトを込めて『おかえりなさい』と。前回以上に圧倒して勝つ」と言葉に力を込めた。21年6月には鈴木雅弘(角海老宝石)に敗れ、日本同級王座から陥落。昨年10月には1階級上のウエルター級契約体重でのノンタイトル戦にも臨んだ。永田は「(井上戦からの)3年7カ月は僕もたくさん試合をしてきた。ボクシングの深みは増えたと思う。自分の考えではこの試合に勝った方が日本卒業かなぐらいの気持ちです」とキッパリ。世界へのステップを懸けた王座統一戦として見据えていた。【藤中栄二】