元K-1スーパーバンタム級王者でプロボクシングWBO世界バンタム級10位の武居由樹(27=大橋)が5月6日、東京ドームで同級王者ジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)に挑戦することが6日、発表された。

4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)がWBC世界同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)と臨む防衛戦と同じ興行で挑む。日本人初となるK-1王者&ボクシング世界王者を狙うチャンスが到来した。

武居は10歳からキックボクシングをはじめ、高校ではボクシング部にも所属。卒業後の14年11月にキックボクサーとしてプロデビューし、17年4月、K-1スーパーバンタム級王座決定トーナメントを制し、K-1王者に。18年にはK-1アウォーズで最優秀選手賞を獲得した。

19年6月にはK-1スーパーバンタム級世界最強決定トーナメントも3戦連続KO勝利で優勝。負傷などをきっかけに20年12月にK-1卒業、大橋ジムに所属してボクシングに転向すると表明した。

元世界3階級制覇王者八重樫東トレーナー(41)とコンビを組んで21年3月に1回TKO勝ちでボクシングデビューすると22年8月、東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得。昨年11月に同王座を返上し、世界戦準備に入っていた。通算戦績8勝(8KO)無敗で、ついに世界王座挑戦を迎えた。

◆キック出身の主なボクシング世界王者 スーパーライト級王者としてムエタイ無敵を誇ったセンサク(タイ)は75年7月、転向3戦目でWBC世界スーパーライト級王者フェルナンデス(スペイン)に8回KO勝ちして世界王者になった。3戦目での世界王座奪取は今も最短記録となる。ムエタイ3階級制覇のウィラポン(タイ)は95年9月に転向4戦目でダオルン(タイ)に判定勝ちしてWBC世界バンタム級王座を獲得。現ウクライナのキーウ市長で元WBO、WBC世界ヘビー級王者のビタリ・クリチコ氏もキックからの転向組。ボクシング転向後、世界選手権スーパーヘビー級銀、プロでも世界一となった。