東洋太平洋スーパーミドル級9位の野中悠樹(46=ミツキ)が、50歳の同級7位サム・ソリマン(オーストラリア)を判定で破り、新王者となった。

合わせて96歳のタイトルマッチは国内最高齢。立会人を務めた日本ボクシングコミッションの安河内剛本部事務局長は「今後、抜かれることはないでしょう」と話した。

元IBF世界ミドル級王者でキャリア69戦目の大ベテランに苦戦した。「予想以上にやりにくかった。自分から崩していきたい気持ちはあったが、カウンターを狙っているのが分かっていたので、なかなか突っ込めなかった」。腫れた顔が苦戦を物語っていた。

50歳の相手が、現役でバリバリやっているのは勇気を与えられた。「僕がデビューした時、すでに第一線で活躍していた選手。いまだに第一線で戦っているのは尊敬する。この勝利は誇りに思う」と話した。

今後も現役に意欲を見せた。「まだまだ中年の星として頑張りたい。ボクシングをやるのは人それぞれ。自分は自分の理由で戦い続けている。負けたら辞めるとか、そういう気持ちは一切ない。重量級は東洋太平洋タイトルをとったからといって世界ランクに入れるわけではないが、世界挑戦の夢をあきらめず、自分を超えていけたらと思う」。

おじさんボクサーは、まだまだ戦い続ける。【実藤健一】