ボクシング東洋太平洋スーパーバンタム級6位辰吉寿以輝(28=大阪帝拳)が、元世界王者の父丈一郎(54)と同じ「青白」で初のタイトルマッチに臨む。同級王者中嶋一輝(31=大橋)への挑戦を前に11日、前日計量をクリア。大一番に向けて、父が好む白地に青のラインが入ったコスチュームなどを準備したことが11日、わかった。父が90年に日本王座を獲得したプロ4戦目と同じ後楽園ホールで、34年の時を超えて、青白の辰吉がよみがえる。
◇ ◇ ◇
辰吉が、体重計にあがって「えっ」と声を上げた。リミットの55・3キロを300グラムアンダー。リミットちょうどで午前に大阪を出発して、約5時間で自然と体重減。「そんなに減ってんねや」。1回目にまさかの10グラムオーバーで全裸計量となった中嶋とは対照的に、楽々と最後の関門をクリア。妻優さん手作りのテールスープを口にして「やれることはやってきた」。
KOでベルトを奪取する。強打者同士の試合に「パワフルにはパワフルで返す。もちろんKO。『辰吉』の美学です。なぐり合いなんで」。父丈一郎からのアドバイスについては「気合や、いうてました。何でも気合。たぶん頭、悪いので、気合しかいわない」とジョークを飛ばした。
「ボクサーとしてリスペクトしている」。父と共有する美学は「勝負服」に込めた。90年9月に岡部繁を4回KOして日本王者になった父のガウン、トランクス、シューズをモチーフにして、同じミズノ社に発注。これまで上半身にタオルをかけるだけだったが、初めてガウンを身にまとう。辰吉は「オマージュですね。オマージュ」と笑った。
父丈一郎は「青白」について「うち(自分)のファンは気づくと思うわな。気づいたら鳥肌もんや。おやじは日本やけど、息子は東洋やん。急に抜きよったやん」と目を細めている。
プロ10年目の初タイトル。アマチュア経験はなく、たたき上げで戦績は16勝(10KO)1分け。「12ラウンド戦うつもりは、もちろんない」と倒して勝つ。「当たっても倒れる気はない。最後に倒したもん勝ち」。リングサイドで観戦予定の父丈一郎の前で、ベルトを奪取する。【益田一弘】

