ボクシングWBA世界スーパーフライ級6位井岡一翔(36=志成)が約1年11カ月ぶりのチャレンジャー魂を燃やし、約1年5カ月ぶりKO決着で世界返り咲きを狙う。11日、東京・大田区総合体育館で、同級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)との約10カ月ぶりの再戦に挑む。10日には都内で前日計量に臨み、両者ともにリミットより200グラム少ない51・9キロでクリア。井岡はKO勝利でリベンジを達成し、世界ベルトを取り戻して国内最年長の世界王座奪取記録を更新する覚悟だ。

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ラテン系の陽気な王者とは対照的に井岡は平然としていた。マルティネスと約15秒間のフェースオフ(にらみ合い)で静かに火花を散らすと「必ず世界王者に返り咲きたいと思う」と強い決意を示した。昨年7月のWBA、IBF世界同級王座統一戦で判定負けを喫して以来の再戦。王者側のインフルエンザ感染で昨年大みそかに組まれた再戦は中止となっていただけに因縁マッチとなる。

挑戦者として世界戦を迎えるのは23年6月のジョシュア・フランコ(米国)との再戦以来、約1年11カ月ぶり。「自分の気持ちとしては世界王者でも挑戦者であっても試合に向けて挑戦する気持ちに変わりはない」と貪欲な姿勢を打ち出した上で、珍しくKOへの意識も口にした。「KOではっきりと決着をつけることが理想ではある」と23年大みそかのホスベル・ペレス(ベネズエラ)戦以来のKO勝利も意識。約1年5カ月ぶりのKO勝ちとなれば、寺地拳四朗(BMB)と並ぶ日本人の世界戦通算KO記録も単独2位に返り咲く。

また36歳1カ月となる井岡が勝てば長谷川穗積の保持する国内最年長の世界王座奪取記録も更新する。「志しているものがあるからここまでできている。その時、その時の選択ができて、今がある。続けていることで次の試合でこの記録がかかっている。何か意味をなせたらいいと思う」。記録更新にも意欲を見せながらリベンジの舞台に立つ。【藤中栄二】