今年の漢字に「勉」を選んだ幕内高安(25=田子ノ浦)は、1年間を「相撲は全然ダメでしたね。ふがいない相撲ばかり。プライベートは充実していたんですけど…」と振り返り、苦笑した。6月に母ビビリタさんの故郷フィリピンで、アキノ大統領と対面して激励されたことが一番の思い出。「本当にいい経験をさせていただきました」と笑った。

高安が選んだ漢字は「勉」
高安が選んだ漢字は「勉」

 本業では、初場所で小結まで番付を上げながら、上位の壁にはね返された。秋場所では05年春場所の初土俵以来、初めての休場も経験。九州場所前は関取衆とほとんど稽古できず「感覚だけでやっていました。やっぱり土俵に対して嫌なイメージがあるので、不安がありましたね」と胸中を明かした。

 それでも、前半戦で白星を重ねたことで不安を払拭(ふっしょく)。これもいい経験となり「勝てたことで、自信を取り戻しました。こういう相撲で大丈夫なんだと。勉強になりました。本当に勉強、勉強」と繰り返した。初体験の多かった2015年。「早く番付を戻して、さらに上を目指していきたい」と挽回を誓っていた。【桑原亮】