初場所限りで引退した元十両飛翔富士の住洋樹氏(27)の断髪式が5日、地元神戸市内のホテルで行われた。

 式には家族や地元の親しい人、後援会関係者ら約130人が参加。60人余りにはさみを入れてもらい「意外と涙は出なかった。12年間が終わったんだなあ、って。相撲をやってすごく良かった。いろいろと思い出しました」とすがすがしい表情だった。

 断髪式後は「15歳で上京して家族には12年間、寂しい思いをさせたと思う。自分も1人ぼっちでつらい時もあった。そんな中、家族が一番応援してくれた。本当にありがとうございました」と家族に感謝した。

 まげが無くなった息子を見た父芳幸さん(55)は「やっと引退して、息子の顔に戻った感じです」と、優しい表情。現在は神戸市内の実家で一緒に暮らしており、「部屋が狭いよ」と苦笑いを浮かべたが、うれしそうだった。

 今後は、実業家に転身して、拠点を海外に移すことも視野に入れている。「1度十両に上がって親孝行をしている。第2の人生でも親孝行したい」と、新たな道でも活躍することを誓った。