大相撲の元大関琴欧洲の鳴戸親方(34)が佐渡ケ嶽部屋から独立して創設した鳴戸部屋の部屋開きが1日、東京都墨田区横川で行われた。新たな門出には、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)や琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)ら約100人が駆けつけ、鳴戸親方は「うれしいですね。初めての自分の部屋。ブルガリアから19歳で日本に来て、私の心の中はもう日本人。1人の日本人としてやっていきたい」と話した。

 大関に昇進した際に、先代師匠の佐渡ケ嶽親方(元横綱琴桜)から独立してもいいという承諾を得ていたそうで、14年春場所の現役引退後に「自分なりの指導の仕方がある。チャレンジしてみたいと思った」。部屋の看板は、知人の書道家の澤江抱石氏に依頼。新しい部屋は仮住まいで、2年後には同じ墨田区内に部屋を新築するという。

 5月の夏場所で新弟子検査を受けるブルガリアのレスリング王者ベンチスラフ・カツァロフ(20)を含めて、現在の弟子は3人。「先代の教えに、新しい部分を少しずつ取り入れてやっていきたい。私は1つだけ、届かなかった地位がある。私を超えた弟子を育ててみたい」と、将来の横綱を育てることを夢見ていた。