大相撲の横綱日馬富士(33)が平幕貴ノ岩(27)を暴行し負傷させた問題で、日馬富士が鳥取県警の事情聴取に対し「(現場となった鳥取市内のラウンジでの)貴ノ岩関の態度に腹が立ち、殴った」という趣旨の説明をしていることが20日、関係者への取材で分かった。

 日馬富士は17日の聴取で「素手で殴った」などと暴行を認め、ビール瓶での殴打は否定している。

 県警は、食い違いがみられる同席者らの証言と合わせて分析し、日馬富士を再聴取する方針。同席した横綱白鵬の聴取は、九州場所の後に行われるとみられる。

 一方、日本相撲協会の危機管理委員会は19日、東京・両国国技館で日馬富士に対して初めて事情聴取を行い、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は日馬富士が暴力を振るった事実を認めたことを明らかにした。

 また、現場となった酒席に同席した力士について、九州場所の休場者を対象に、26日の千秋楽を待たずに聞き取りを急ぐ方針であることが、関係者の話で分かった。県警による事情聴取を終えたことが条件。早期解決を目指した措置とみられ、暴行問題を年内に決着させる意向を示した。貴乃花、伊勢ケ浜両親方の事情聴取は九州場所後に実施の見通し。

 関係者によると、日馬富士が激高したのは、白鵬に生活態度を注意されていた貴ノ岩が、話の最中に、知人から連絡が来たとしてスマートフォンを操作したことがきっかけとされる。

 県警は、ラウンジでのトラブルだけでなく、それ以前の2人の関係を含め、暴行に至った経緯の確認を慎重に進める。

 酒席には、他に横綱鶴竜や照ノ富士らモンゴル出身力士と、日本人力士や地元関係者らが同席していた。