大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が鳥取市内での酒席で10月下旬、モンゴルの後輩の平幕貴ノ岩(27)に暴行した問題で、日本相撲協会の危機管理委員会が、酒席に同席し九州場所を休場している横綱鶴竜と関脇照ノ富士の事情聴取を一両日中にも実施する可能性があることが20日、関係者の話で分かった。鳥取県警の事情聴取後に行う方針。早期解決を目指した措置とみられ、問題を年内に決着させる意向という。

 この問題では、ビール瓶で殴打したかどうかを巡って当事者の証言が食い違い、一部の関係者は「ビール瓶で殴っていた」としている。20日には日馬富士がビール以外のアルコール類の瓶で殴打したとの同席者による新証言も浮上した。

 同席者によると、貴ノ岩は左前頭部から流血。日馬富士関は膝の上にのしかかって暴行を振るったという。酒席に参加していたモンゴル出身力士同士は、主に母国語で会話していた。

 関係者によると、日馬富士は17日の鳥取県警の事情聴取に素手で殴ったことを認めた上で、ビール瓶での殴打を否定している。危機管理委員会は19日に初めて聴取したが、その際も同様に回答。酒席に同席した横綱白鵬は報道陣にビール瓶での殴打を否定した。

 県警は、食い違いがみられる証言と合わせて分析し、日馬富士を再聴取する方針。暴行の経緯の確認を慎重に進める。白鵬の聴取は、九州場所の後に行われるとみられる。

 危機管理委員会による白鵬ら九州場所に出場している力士への聴取は、場所後を予定している。鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は、同席者全員から事情を聴く意向を示している。