横綱白鵬(32=宮城野)が、ひやりとしながらも白星を挙げた。東前頭5枚目宝富士(30=伊勢ケ浜)に、2度背中を向ける姿勢になったが、慌てることなく対応した。

 左張りからの右のかち上げで、一気に土俵際まで追い込み、あと一押しというところで、宝富士にいなされて土俵際で前のめりになった。背中を向けてしまったが、すぐに反転。四つに組むと、次は宝富士の右上手で振られて再び背中を向けた。しかし、またすぐに反転して、体当たりしてきた宝富士をつかまえてはたき込んだ。「いるはずの人がいないんですからね」と苦笑いし「攻めるだけの横綱じゃなくて、守り抜くのも横綱」と自画自賛した。

 14日目は、1差で迫っている平幕の北勝富士と隠岐の海が負けて、自身が勝てば40回目の優勝が決まる。「まだ2日ありますからね。今日みたいに引き締めていく」と目の前の一番に集中する。