大相撲の初場所(14日初日、東京・両国国技館)に向けて、二所ノ関一門の連合稽古が8日、東京・江東区の尾車部屋で行われた。一門の横綱稀勢の里、大関高安(ともに田子ノ浦)、関脇玉鷲(片男波)をはじめ、一門外からも横綱鶴竜が参加し、各力士が精力的に稽古を重ねた。

 4場所連続休場中の稀勢の里は琴奨菊、嘉風を相手に計17番取って14勝3敗だった。5日の横綱審議委員会(横審)稽古総見では2勝6敗と振るわなかったが、この日は圧力負けせず琴奨菊に5勝2敗、くせ者の嘉風は動きを封じ込めて9勝1敗と圧倒した。稽古後は「感覚的には良くなってきた。焦らず、しっかりと調整していきたい。1年のスタートなので、しっかりと体をつくっていければ」と、手応えを感じている様子だった。

 また、同じく4場所連続休場中の鶴竜も、嘉風に9勝1敗と復調の気配を漂わせた。「立ち合いがポイントと思っていた。1番負けたのは、立ち合いが遅かったし、高かった。その後は、しっかりと踏み込んで低く相撲を取れたかなと思う」と、自らにテーマを掲げて臨んだ稽古の中で収穫を挙げた。

 両横綱から指名された嘉風は「予期せぬ出来事でした」と、猛稽古で乱れた髪をそのままに、思わず苦笑いを浮かべて振り返った。それでも「(稽古は)だいぶ充実していた。体をいじめるという意味ではよかった。実力も勢いもある若手が出てきたけど、若手だけじゃなく、おじさんも頑張っているというのを見せられれば」と、今年3月で36歳となる年男は、初場所から存在感を見せつけるつもりだ。