東幕下筆頭矢後(23=尾車)が、同9枚目湘南乃海(19=高田川)を下して勝ち越しを決めて、3月の春場所での再十両が濃厚となった。

 立ち合いは受ける形となったが、左を差してじりじりと土俵際まで寄った。生命線の右上手は最後まで取れなかったが、動きの中で差した左を抜いて押し出した。ストレートで勝ち越しを決めて「ひとまず良かったです」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 新十両だった昨年秋場所から2場所続けて7勝8敗で、今場所は幕下に陥落。「力不足を感じた。でも、切り替えて『これからだ』と思ってた」と腐らなかった。二所ノ関一門の連合稽古では、横綱稀勢の里から指導されたこともあり「いろいろ教えてもらったり、見て吸収しようとしていた。すごくプラスになりました」と糧にしていた。

 幕下だった昨年名古屋場所は、全勝優勝で新十両昇進を決めた。今場所もここまで無傷。「まだ3番あるので1つでも多く、というよりは全部勝つという気持ちで臨みたいです」と力強く言い切った。