日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で理事会を開いて理事長を互選し、八角理事長(54=元横綱北勝海)の続投を決めた。

 この日は理事会、横綱審議委員会に先だって、評議員会が開かれた。2月の役員候補選挙で当選した力士出身の理事候補10人を、正式に理事として選任。新たに芝田山親方(元横綱大乃国)阿武松親方(元関脇益荒雄)高島親方(元関脇高望山)の3人が理事となったが、池坊保子議長は「1人ずつ名前を呼びましたが(評議員から)異議も質問もなく了解してもらいました」と、選任に支障がなかったことを明かしていた。

 一方で同議長は、貴乃花親方の言動に対してかねて苦言を呈しており、この日は貴公俊の暴力問題について「多くの方々に失望や落胆を与えた」と語った。また貴乃花親方についてコメントを求められると「天知る、地知る、人知る。神さまがいるんだなと思いました」と、意味深な言葉を残した。貴乃花親方を巡る言動で、SNSなどを通じて世間から多くの批判も浴び「袋だたきに遭いました」と、自虐的に打ち明けながらも笑顔を見せていた。

 貴乃花親方は28日に協会の臨時年寄総会で説明を求められ、29日の理事会では貴公俊とともに処分対象となっている。

 ◆「天知る、地知る、我知る、人知る」 中国の故事で誰も知る者がおらず、2人だけの秘密にしようと思っても、天地の神々も知り、自分も相手も知っているのだから、不正は必ず露見するという意味。