大相撲の元前頭大岩戸(36=八角)が11日、協会に引退届を提出し、東京・両国国技館で師匠の八角親方(元横綱北勝海)とともに引退会見を行った。

 14年の土俵生活に幕を閉じることになったが「やり切ったというかスッキリした気持ちです。気持ちはまだまだやりたいとうのがあったけど、体があちこちケガして年とともに治らなくなってきた。この辺が終わるタイミングではないかなと思った」と涙はなく、すがすがしい表情で語った。

 近大4年時に学生横綱に輝き、04年春場所で幕下15枚目格付け出しデビューして、05年夏場所で新十両に昇進した。しかし、そこから幕下と十両を行き来するようになったが、腐ることなく稽古を積んで13年春場所でようやく新入幕昇進を果たした。八角親方は「コツコツとやるタイプ。努力して頑張っていた」と評価。大岩戸は「上がったり下がったりで、応援してくれる方も悔しかったと思うけど最後まで変わらずに応援してくださったので感謝しています」と、支えてくれた人らへの感謝の言葉を述べた。

 14年間の思い出を問われると「若い時に、八角親方にぶつかり稽古で胸を借りたのが1番の思い出。親方も引退して結構たっていて体重は軽かったけど、気迫、オーラで緊張してすぐ息があがりました。ちょっと油断するとすぐいなされたり。ぶつかりの極意というか、横綱に上がった人のぶつかりってこういうものなんだなと、すごい勉強になった」と昨日のことのように、目を輝かせながら話した。今後の人生については神奈川県内にある、壊れたパソコンや携帯電話を回収して部品の金を取り出す会社に就職するという。