大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)で新弟子検査を受ける182センチ、206キロの“沖縄の怪童”が、プロ初稽古でみっちり汗を流した。

3月2日の新弟子検査を受ける、宮城野部屋の当真嗣斗(とうま・つぐと=鳥取城北高3年)が26日、大阪・天王寺区内にある同部屋の朝稽古に参加。「20日まで(高校で)稽古して21日に大阪に入りました。22日から昨日までは、ずっと土俵作りをしていたので、久しぶりに体を動かしました。ハイッ、今日が(入門後の)初めての稽古です」と初々しい表情で話した。

沖縄生まれの当真は、わんぱく相撲で小4から3連覇。当時で身長180センチ、体重140キロを超え、小6の時には、少年力士の世界大会として知られる白鵬杯で優勝。「沖縄に、怪力のすごい少年がいる」という話が耳に入ったことで、白鵬が目を付け、以後は連絡を取り親交が続いていた。高校は相撲留学で鳥取へ。白鵬にスカウトされる形となった当真は17日に、鳥取城北高で入門会見を開き、白鵬も自ら足を運び出席した。

プロでの第1歩を踏み、初稽古で汗を流した当真は「プロの稽古は時間は長くなくても内容が締まっている感じでした。アマチュアとは全然、違う。ここからは仕事です」と自覚を示した。気になるのは昨年5月に痛めた腰の状態。稽古もほとんど出来ないまま臨んだ8月の高校総体は、団体で準優勝も個人はベスト8にも入れずじまい。昨秋の国体も「もっと状態は悪くて(結果は)全然ダメでした」という。試練を克服して、立派な関取になれるか-。3月1日の卒業式と、その前日の表彰式出席のため27日には鳥取に戻り、新弟子検査のある3月2日に再び大阪入りする。