大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)に向け、先場所優勝の関脇玉鷲(34=片男波)が28日、東大阪市の高田川部屋への出稽古を行った。稽古再開3日目で初めて相撲をとり、平幕の竜電、輝との計20番は12勝8敗。「いや~疲れたッス。結果はいいことないですけど、この疲れが大事。今日が(疲れの)MAXで、後は徐々に落として、初日前からまた上げていきます」と2場所連続優勝に挑む本番へのシナリオを口にした。

質量ともにたっぷりの出稽古だった。約40分の四股、すり足の基礎運動後、若い衆の当たりを受け止め、押し出す形で14番相撲を取った。本番はそこからだ。低く厳しい当たりで取り口の粘っこい竜電、馬力十分の輝とタイプの違う2人を相手に、顔を真っ赤にしながらやり合った。

初場所後は初優勝のあいさつ回りなどで多忙を極め、3日前まで9日間、稽古ができなかった。そんなブランクがあるため、体はまだまだできていない。しかも「そもそも(高田川部屋の力士は)みんな強いんですよ。竜電にはいつもやられるし、輝はオバケみたいに力が強い。いつも、自分が負けてる感じがする」と苦笑い。それでも「特別な意識を持たず、いつも通りにやっていきます」と充実感を漂わせた。