大関とりの関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が、冷や汗をかきながらも白星をもぎ取った。小結北勝富士(26=八角)を引き落として3勝1敗。12日の3日目こそ小結御嶽海に完敗を喫したが、気持ちを切り替えて連敗を阻止した。

我慢の一番を制した。1月の初場所では、突いて当たって、突いて当たって…の、互いに何度もぶちかまし合う一番を貴景勝が制した。この日は、のど輪で攻め立てる北勝富士に間合いを避けられる展開。貴景勝は「自分の体勢を崩さずいこうと思った」と辛抱した。北勝富士の不意なはたきが不発に終わったところを貴景勝が逃さず、左に開いて引き落とし。「体がしっかり動いていた。はたきがきたな、と分かったわけじゃないけど、体が自然と反応してくれた」。

平成に大関昇進した25人の中で、昇進を決めた場所で、初日から5日目の序盤に連敗を喫した力士は元横綱日馬富士(当時のしこ名は安馬)のみ。大関とりへ悪い流れを断ち切った貴景勝は「前の日がどうだったのかを考えずにいきました」と、敗戦を引きずらなかった。「切り替えるというよりは、毎日、毎日、初日の気持ちでいこうと思っている」。昨年秋場所5日目以来、連敗をしていない22歳が、大関とりへ再スタートを切った。