大相撲の新大関貴景勝(22=千賀ノ浦)が、13年ぶりの新大関Vを狙う。

令和初の本場所となる夏場所が12日に東京・両国国技館で初日を迎える。11日は国技館で土俵祭に出席後、母校の埼玉栄に移動し、同校から新しい化粧まわしを贈呈された。大関昇進祝いを励みに、06年夏場所の白鵬以来、昭和以降では7人目となる新大関場所での優勝へ。初日は相撲巧者の東前頭2枚目遠藤と顔を合わせる。

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母校から昇進祝いを受け取り、貴景勝は「本当にかっこいい。これに恥じない相撲を取らないといけない」と責任感を口にした。高貴な色とされ、慣例で大関以上の着用が許される紫色を基調としたデザインだ。新十両を果たした3年前に贈られたものと同じく、校訓「今日(こんにち)学べ」が記されている。「新十両の時と同じように新鮮で、また次の番付を目指したい」と引き締めた。

令和最初の場所へ「やはり精神面(が重要)。闘争心を持って15日間取り切りたい」と力を込めた。場所前の稽古では、両差し速攻など幅広い取り口も試したが「基本は突き、押しでここまできた。長所をもっと磨く」と今場所も突き、押しが生命線となる。

双葉山、白鵬ら後の大横綱が成し遂げた昭和以降7人目の新大関優勝が期待される。初日は過去1勝1敗の遠藤と対戦する。大関昇進を決めた3月の春場所では電車道で圧倒したが、三役経験もあるくせ者。何より怖いのは新大関の重圧か。平成の新大関で初日に出場した23人中、白星を挙げたのは15人。ほとんどが平幕相手でも勝率は7割を切っている。

大関昇進から約1カ月半。「気合を入れて、目の前の敵を撃破するだけ」。新時代「令和」で最初の天皇賜杯を狙う。【佐藤礼征】