元幕内力士で今年3月の春場所を最後に引退した元天鎧鵬の引退、秀ノ山襲名の断髪式が8日、両国国技館で開かれ、約150人がはさみを入れた。

断髪前に、最後の土俵入りとして10カ月の長男維風輝(いぶき)君を抱いて土俵を回った。その後、断髪式に入り、いの一番ではさみを入れた高崎哲也後援会長に続き、2人目には日大時代に指導を受けた日大の田中英寿理事長が土俵に上がり、教え子のマゲにはさみを入れた。

熊本・文徳高から日大に入学した16年前を思い返すように、同理事長は「大学時代は強くなかった。まじめでコツコツ努力する子で、プロになって強くなった。よく頑張りました」と教え子を、ねぎらっていた。

また関取衆の最後には、親交のある横綱白鵬(34=宮城野)が土俵に上がり、はさみを入れた。「巡業の朝稽古で、よく稽古をつけた」と言う白鵬も「(秀ノ山親方の出身が)熊本だから、とにかく酒が強くて豪快だった。最後はケガをして、もう少しやりたい気持ちはあっただろうけど、その分、親方として弟子を育ててもらえたら」と、ねぎらっていた。