大相撲の夏巡業は8日、宇都宮市で行われ、前頭阿武咲(23=阿武松)が、ぶつかり稽古で約7分間、横綱白鵬(34=宮城野)に胸を借りた。

グループごとの申し合い後、急きょ指名され、砂まみれになって向かっていった。稽古後は「久しぶりの指名だったけど、うれしい。強くしてもらえるし、光栄なこと」と、笑顔を交えて振り返った。今後は今月中に2度、出身の青森県で巡業を控えている。今回の巡業で白鵬と横綱鶴竜は、出身地の力士に稽古をつけており、阿武咲も「あと2回、青森でありますからね」と、今後の指名を予感していた。

そんな心中を察したように白鵬は「青森でもう1回だね。今日はリハーサルということで」と、笑いながら予告した。もちろん、それも阿武咲の実力を認めているからこそ。「年齢とともに実力がついていると思う。朝乃山が優勝した5月場所で(朝乃山に)黒星を付けたのも阿武咲だから」と、優勝力士にも遜色ない潜在能力を秘めていると評していた。