小結北勝富士(27=八角)は、後半に強かった。今年6場所で中日を除く前半7日と後半7日を比較すると、後半7日が上回る白星の差は前頭大栄翔、正代に並んで最多。番付が最上位の北勝富士が見事に「後半巻き返したで賞」を受賞した。

「安定して幕内上位にいた証拠だと思う」。今年1年は前頭2枚目から小結の間を位置づけ、序盤戦で横綱、大関戦が組まれることがほとんどだった。序盤5日で平幕と対戦したのは初場所5日目の琴奨菊戦と、九州場所3日目の宝富士戦の2度だけ。負けが込んでも、後半から立て直す安定感を印象づけた1年を振り返り「今年は上位でもちょくちょく勝てた。来年はもっと白星を上積みしたい」と意気込んだ。

周囲に支えながら1年間を戦い抜いた。場所中は腰や首の痛みに苦しむこともあったが、その都度、専属の山口泰輝トレーナーの治療に助けられたという。「山口さんの治療がなかったら体はボロボロだったと思う。周りに支えながら、15日間戦うスタミナもついた」。10月には婚約を発表。年明けの来年1月に婚姻届を出す予定の“幸せ者”は「一家の大黒柱としても頑張らないといけない」と、さらなる公私充実を誓った。【佐藤礼征】