東前頭3枚目豊山(26=時津風)が、同学年でライバルの関脇朝乃山を破った。右差しを警戒しながらのど輪で攻めると、左からすくい投げ。

「右を使わせないようにと、ずっと頭にあった。我慢して向こうが引いてくれたので、あとは走るだけ。いい感触で自信を持って臨めた」と、納得の表情を見せた。

大関とりで今場所最大の注目を集める相手から殊勲星を挙げ「気持ち良かった、時の人だから」と満足げだ。同じ大卒で同学年。入門時から比較される存在だったが、朝乃山が昨年の夏場所で初優勝すると、一気に差を広げられた。自身は当時、十両でくすぶっていただけに「去年の5月から今日相撲を取ることだけ考えてきた。苦い思い出も少しはむくわれた」と汗をぬぐった。

1年半ぶりの上位総当たりとなる今場所を、3勝5敗で折り返した。「(この白星を)きっかけにしなきゃいけない」と、気を引き締めた。