日本相撲協会は4日、臨時理事会を開き、2週間延期して24日に初日を予定していた大相撲夏場所(東京・両国国技館)の中止を決定した。同時に7月の名古屋場所(7月19日初日)は会場を名古屋市のドルフィンズアリーナから東京・両国国技館に変更し、無観客開催を目指す方針も決めた。9月の秋場所後に予定していた秋巡業は中止する。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、政府発令の6日期限の緊急事態宣言が、31日まで延長。これを受けて、通常開催を断念した。

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日本相撲協会が発表した八角理事長(元横綱北勝海)のコメントは以下の通り。

このたび、緊急事態宣言の延長が発令されたことを鑑み、ファンの皆様並びに関係者の皆様の健康と安全を確保するため、五月場所の開催中止を決定いたしました。

また、秋巡業につきましても、開催は10月ではございますが、開催できるかどうかの目処が立たない中で準備を進めさせていただくことは、主催者である勧進元様に多大なるご迷惑となることと判断し、中止を決定いたしました。

なお、夏巡業につきましては、東京オリンピックが予定されていたこともあり、すでに中止を決定しております。

一方で、七月の名古屋場所につきましては、大人数による東京から名古屋への移動・長期滞在を避けるために、特別開催としまして、7月19日から8月2日、東京で行うこととし、両国国技館での無観客開催を目指す所存です。

相撲観戦を楽しみにしていらっしゃるファンの皆様には、大相撲をお見せ出来る日が先になってしまい、大変残念に思いますが、力士を初めとする協会員一同、今後も国民の皆様と同様に、一生懸命、新型コロナウィルス感染症の感染予防に努めて参ります。そして、開催できた暁には、精一杯の迫力ある相撲をご覧いただけますよう、これからも取り組んで参ります。

一刻も早く現況が終息することを願うとともに、感染症により亡くなられた方とそのご遺族に心よりお悔やみを申し上げます。また、現在治療中の患者の皆様、ご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、全国各地で感染症の治療・ケアにあたられている医療関係者の皆様に心から感謝するとともにエールを送らせていただきます。