新大関の朝乃山が白星発進した。前頭隆の勝の突き、押しを受け止めつつ、下からあてがって反撃。相手が体勢を崩したところを、すかさず送り出す完勝だった。かど番の大関貴景勝は、同じ押し相撲の豊山を立ち合いから圧倒して押し出した。

両横綱は明暗が分かれた。白鵬は小結隠岐の海に攻め込まれたが、肩すかしで破った。

鶴竜は、横綱では初めて「腰砕け」で敗れた。東前頭筆頭の遠藤に対し、右足で裾払いを仕掛けたが、これが空振り。バランスを崩して、自ら転倒した。「決まり手」ではなく勝負結果として「腰砕け」と判定された。

日本相撲協会広報部の資料によれば、1955年(昭和30年)に決まり手を制定して以来、横綱が腰砕けで敗れるのは初めて。幕内では、昨年初場所2日目に隠岐の海が嘉風に勝って以来となる勝負結果となった。

金星を配給した鶴竜は「独り相撲を取ってしまった」と反省。4カ月ぶりの本場所は、横綱であっても相撲勘が鈍りかねない難しさがあるのかもしれない。遠藤は7個目の金星となった。

新入幕の琴勝峰は、寄り切りで千代丸を破って幕内初白星を挙げた。5月に部屋の三段目勝武士さんが、新型コロナウイルスに感染して亡くなった、高田川部屋勢は、前頭の輝と竜電、十両白鷹山の関取衆がそろって白星を挙げた。