新大関正代(29=時津風)が2日目に本来の相撲を取り戻し、危なげなく2連勝を飾った。

霧馬山(陸奥)の真っすぐな当たりを胸で受け止め、左を差して前に出ながら右もねじ込む万全の形から寄り切った。「今日は当たった後もよく足が出てくれた」。大関デビューの初日は若隆景に終始、攻め込まれる冷や冷やの相撲だった。「何とか修正できた」とホッとした表情を見せた。

ポイントは立ち合いだった。「浮足立って状態が高かったんで、気持ち低めにいきました」。それでも腰高は変わらなかったが、攻める気持ちが相撲内容に直結した。

初日も歩いて部屋と両国国技館を往復。それは「雨だったり、足が痛くなければずっと続けようかなと思っている」。場所入りの際はウオーミングアップ効果。場所が終わった後は、拍手を浴びて「注目されていると実感できる」とソーシャルディスタンスを保ちながら、ファンとの触れ合いがある。

ひやりと万全で2連勝。何とかいい形で船出を飾った。