大相撲の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が自身2度目の優勝を果たした11月場所千秋楽から一夜明けた23日、オンラインで一夜明け会見を行った。あらためて優勝を振り返り「初優勝とはまた違った優勝だったので、少し疲労感も多かったと思う。今場所は決定戦もあってつかみ取ったなという感じ」と話した。

秋場所の反省をしっかりといかして、賜杯を手にした。秋場所は1差で追いかける展開で優勝争いに加わるも、関脇正代に追いつけずに優勝次点。あらためて「一番の星の重さを感じました」と実感。だからこそ「15日間でどれだけ勝つかというよりも、トーナメントやと思ってやった。初日勝ったら2日目に進める、2日目に勝ったら3日目に進めるって考え方を変えた。今日負けても明日勝つ、という精神的なブレを直すのも大事だけど、今場所は視点を変えてやりました」とこれまで以上に、目の前の白星に強くこだわった。

人生の伴侶を得て臨んだ場所でもあった。9月の秋場所前に婚約を発表していた、06年に亡くなった元大関北天佑の千葉勝彦さんの次女で元モデルの有希奈さんと、11月場所前に結婚していたことを明かした。「私事ですけど場所前に入籍しまして、頑張っていきたいと思っていたので良かったです」と自身の結婚に、最高の形で花を添えた。妻の有希奈さんとは相撲の話はしないといい「食事の面とか、そういう所でいろいろとやってくれる」と土俵に集中できる環境を作ってくれることに感謝した。

来年1月の初場所は、自身初の綱とり場所になる。「今場所も自分の中で最高の形でやったつもり。来場所によって何か変わることはないけど、初場所までやれることをやり切って、しっかり勝負していきたいなと思います」と話した。

「一般的に突き押しで横綱は厳しいという声もあるが」と問われると「だから目指す価値がある。無理と言われたのをやり遂げた時の充実感というのは代えられないものがある。押し相撲の魅力も伝えたい。今から四つ相撲を覚えられないので、日々励んでいきたい」と幼き頃から磨き続けた突き押し一本で頂点を目指す。