大相撲の3場所連続休場中の横綱鶴竜(35=陸奥)が19日、東京・両国国技館で行われた合同稽古に参加したが、2日続けて相撲を取る稽古は回避した。四股やすり足、テッポウなどの基礎運動で汗を流した後は、平幕の霧馬山と阿武咲相手にぶつかり稽古で胸を出した。土俵中央から押させる稽古をし、相撲は取らずに終えたが「1歩1歩進んで行きたいと思っている。そういう意味では1つね」と、少しずつ調子を戻している。

11月場所後には横綱審議委員会(横審)から「注意」の決議を下されるなど、初場所(来年1月10日初日、両国国技館)の出場に注目が集まっている。しかし、腰痛などの影響により、相撲を取る稽古は自身の部屋でも再開できていない。厳しい状況に立っているが「少しずつ確実に上げていきたい。体を戻すことが大事になってくる」と焦りはない。

相撲を取る稽古の再開は「体ができていない状態でやってまたケガしてもしょうがない」と見通しは立っていない。それでもこの日、大関朝乃山と阿武咲に指導する場面があり「人に教えることで自分も思い出すし、自分のためにもなる」と話すなど、相撲が取れなくとも自分なりの調整法で調子を上げていく。