史上4位のスロー記録、28場所ぶりに幕内復帰を果たした西前頭16枚目明瀬山(35=木瀬)が、初日から6連勝を飾った。平幕の照強を突き落とし。立ち合いでもろ差しを許して土俵際まで寄られたが、回り込んで右から決めた。大栄翔とともにトップを並走する。

埼玉栄高、日大出身というアマチュア相撲のエリート街道を歩んできたが、今場所が幕内2場所目という苦労人。16年春場所の新入幕場所では4勝11敗とはね返されている。6連勝については「素直にうれしい。しかも、幕内なので」と素直に喜んだ。

大横綱の教えが、今の右四つにつながっている。10年5月に木瀬部屋が一時閉鎖となり、北の湖部屋預かりとなったとき、北の湖親方(元横綱)に「右(四つ)をもっと勉強しなさい」と勧められた。それまでは体格を生かした突き押し相撲が主体。右四つでも取っていたが「(部屋が)合併したときは中途半端な右だった」と、助言をきっかけに集中的に取り組むようになったという。今場所も差し身のうまさを発揮する35歳のベテランは、躍進が続く現状に「たまたまじゃないか」と低姿勢だった。【佐藤礼征】

▽八角理事長(元横綱北勝海) 謙虚に相撲を取って頑張っている。