日本相撲協会の尾車事業部長(元大関琴風)が13日、報道陣の電話取材に応じ、春場所(14日初日、東京・両国国技館)中に協会員から新型コロナウイルスの新規感染者が出た場合について「場所自体を中止にすることはないと思う」と説明した。

1月の初場所では新型コロナウイルスの影響で関取15人を含む力士65人が初日から休場。異常事態の中で協会は有観客での開催に踏み切ったが、同事業部長は初場所直前に「もっと(感染が)広がっていたら中止というのもあり得たと思う」と、中止も視野に入れていたことを明かしていた。

今場所は11日に山響部屋付きの小野川親方(元前頭北太樹)、尾上部屋付きの音羽山親方(元前頭天鎧鵬)の新型コロナウイルス感染が判明した影響で、山響部屋と尾上部屋の2部屋に所属する計28人の力士が休場することが決まった。尾車事業部長は「(場所中に感染者が)出た場合は濃厚接触者だったり、その辺は休むことになる。濃厚接触者を出さないためにも力士には支度部屋でもマスクをして、準備運動をしてもらうようにしている」と、感染対策に向けて気を引き締めた。