大相撲の東関部屋が春場所後に閉鎖したことについて、創設した12代東関親方の渡辺大五郎氏(76=元関脇高見山)が言及した。30日、自身の自宅である東京・墨田区の旧東関部屋で行われた元十両華王錦(42)の断髪式に出席。自身にとって最後の弟子に、止めばさみを入れて見送った。

渡辺氏は86年に高砂部屋から独立して東関部屋を創設し、横綱曙や小結高見盛を育てた。09年に元前頭潮丸に部屋を継承。元潮丸が19年12月に死去したため、部屋付きの元高見盛が暫定的に引き継いだが、後継者選びが難航した問題などもあり、今年3月の春場所後に閉鎖した。元高見盛の東関親方や所属力士らは、同じ高砂一門の八角部屋に転属した。

断髪式後、取材に応じた渡辺氏は「人ごとじゃないけど、やっぱりちょっと難しい。(元高見盛の東関親方は部屋の師匠に)向いていないというのもある。1人(独身)だし、奥さんがいれば可能性はあるけど、1人じゃ難しい。人はいいよ。そばにいるマネジャーがいて、奥さんの代わりになれればいいけど」と察した。

元高見盛の東関親方は現在、八角部屋付きの親方として後進の指導にあたっている。渡辺氏は「(高見盛は)今が一番幸せだと思う。八角部屋にいって良かったと思う。これから活躍していくと思っている。人はいいから」と、今後の活躍に期待した。