日本相撲協会は21日、大相撲名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付を発表し、新三役の明生(25=立浪)が西小結に就いた。茨城・つくばみらい市の部屋でオンラインでの会見に臨み「良かったです。今年中に三役でしっかり勝ち越して、上を狙えるように稽古していきたい」と気を引き締めた。

会見に同席した師匠、立浪親方(元小結旭豊)の最高位に並んだ。入門時から食事会などの場で「親方の番付を抜く」と話していたというだけに、喜びもひとしお。立浪親方も「自分を超える力士をつくりたいというのが最初の目標だったので、今日番付を見たときにうれしかったですね」と笑みを浮かべた。

中学を卒業して11年技量審査場所で初土俵を踏み、角界に飛び込んで丸十年が経過した。左上腕のケガの影響もあり昨年は十両陥落も経験したが、同時期から専属トレーナーを付けるなどして根本から見直してきた。「相撲の幅も広がって、トレーニングで力もついてきた。もろ差しを目指す相撲でやってきたけど、そのほかにも押してだったり四つになって勝てる相撲も増えてきた」と成長を実感している。

稽古熱心で知られ、部屋頭として引っ張る姿に立浪親方も「特に言わなくても優等生なので、やってくれますよね。助かりますよ」と全幅の信頼を寄せる。名古屋場所では序盤で横綱、大関戦が組まれる見通し。6場所連続休場中の横綱白鵬は、進退を懸けて出場する。師匠は「白鵬を倒せるチャンスは限られている。悔いのないように頑張ってほしい」とエールを送った。

今後は関脇、大関への出世も期待される。「変わらずに上を目指しているのでそこを、期待される力士になれるようにコツコツやっていくだけ」と明生。落ち着いた口調ながら、野心を静かに燃やしていた。