大相撲名古屋場所もいよいよ千秋楽を迎えた。


横綱白鵬が史上6度目の千秋楽全勝対決を制して、歴代最多を更新する45度目の優勝を果たした。

6場所連続休場明けで土俵に上がった今場所。進退問題を一蹴するとともに、昨年春場所以来の優勝を飾った。

千秋楽の全勝対決は12年名古屋場所の大関日馬富士-横綱白鵬以来9年ぶり。1場所15日制が定着した49年5月場所以降では、史上6度目だった。

大関照ノ富士は3場所連続5度目の優勝こそ逃したものの、横綱昇進が事実上、決まった。昇進を預かる審判部が打ち出し後、八角理事長(元横綱北勝海)に昇進を審議する臨時理事会の開催を要請した。理事長は横綱審議委員会(横審)に諮問する。横審で出席委員の3分の2以上の賛成が得られれば推薦が決まり、21日の秋場所番付編成会議後に開く理事会で「第73代横綱照ノ富士」が正式に誕生する。昇進すれば17年初場所後の稀勢の里以来。モンゴル出身では14年春場所後の鶴竜以来5人目となる。

大関正代は関脇高安を下して、千秋楽で勝ち越しを決めた。高安は負け越し決定で関脇から陥落する見通しとなった。

三賞では勝利が条件付けられた一番を制して琴ノ若が敢闘賞を受賞した。技能賞は豊昇龍が獲得。豊昇龍、琴ノ若は初めての三賞受賞となった。殊勲賞の該当者はなかった。


千秋楽の取組模様を写真で振り返ります。


大相撲名古屋場所 全取組結果


幕内


白鵬(15勝0敗)小手投げ照ノ富士(14勝1敗)
照ノ富士(左)に張り手を浴びせる白鵬(撮影・小沢裕)
照ノ富士(左)に張り手を浴びせる白鵬(撮影・小沢裕)
照ノ富士(左)をがっちりとつかまえる白鵬(撮影・小沢裕)
照ノ富士(左)をがっちりとつかまえる白鵬(撮影・小沢裕)
白鵬(右)に投げを打たれ体勢を崩した照ノ富士を避けて飛び上がる行司の式守伊之助(撮影・小沢裕)
白鵬(右)に投げを打たれ体勢を崩した照ノ富士を避けて飛び上がる行司の式守伊之助(撮影・小沢裕)
白鵬は照ノ富士(手前)を小手投げで破り全勝優勝を決め歓喜の表情で雄たけびを上げる(撮影・小沢裕)
白鵬は照ノ富士(手前)を小手投げで破り全勝優勝を決め歓喜の表情で雄たけびを上げる(撮影・小沢裕)
白鵬は照ノ富士(手前)を小手投げで破り全勝優勝を決め歓喜の表情でガッツポーズ(撮影・小沢裕)
白鵬は照ノ富士(手前)を小手投げで破り全勝優勝を決め歓喜の表情でガッツポーズ(撮影・小沢裕)
大相撲名古屋場所千秋楽 白鵬(奥)に敗れガックリ引き揚げる照ノ富士(手前)(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 白鵬(奥)に敗れガックリ引き揚げる照ノ富士(手前)(撮影・森本幸一)
白鵬(左)に賜杯を贈呈する八角理事長(撮影・小沢裕)
白鵬(左)に賜杯を贈呈する八角理事長(撮影・小沢裕)

正代(8勝7敗)送り出し高安(7勝6敗2休)

☆正代「思い切り、自分の相撲に集中していきました」

正代(右)は高安を送り出しで破る(撮影・小沢裕)
正代(右)は高安を送り出しで破る(撮影・小沢裕)

若隆景(5勝10敗)上手投げ御嶽海(8勝7敗)

☆若隆景(東洋大の先輩・御嶽海から初白星)「最後の一番、思い切っていこうと思っただけです。(先輩の)そういう意識はないです。自分の相撲だけに集中しました」

若隆景(右)に上手投げで敗れる御嶽海(撮影・小沢裕)
若隆景(右)に上手投げで敗れる御嶽海(撮影・小沢裕)

(7勝8敗)引き落とし明生(8勝7敗)
明生(左)は引き落としで輝を破る(撮影・小沢裕)
明生(左)は引き落としで輝を破る(撮影・小沢裕)

隠岐の海(5勝10敗)寄り切り大栄翔(5勝10敗)
立ち合いで隠岐の海(左)を突き押しで攻める大栄翔(撮影・小沢裕)
立ち合いで隠岐の海(左)を突き押しで攻める大栄翔(撮影・小沢裕)

隆の勝(8勝7敗)押し出し千代の国(7勝8敗)

☆隆の勝「先手先手で攻めていこうと。久しぶりの名古屋で最後に勝ち越せてよかった。来場所はまた、上を目指して頑張っていきたい」

隆の勝(左)は千代の国を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
隆の勝(左)は千代の国を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

宝富士(8勝7敗)叩き込み逸ノ城(10勝5敗)

★宝富士「勝ち越せたのはよかったが、最後の3番は悔いの残る相撲。課題をクリアしていきたい」

大相撲名古屋場所千秋楽 逸ノ城(奥)は宝富士をはたき込みで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 逸ノ城(奥)は宝富士をはたき込みで破る(撮影・森本幸一)
逸ノ城は宝富士をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)
逸ノ城は宝富士をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

北勝富士(8勝7敗)叩き込み豊昇龍(10勝5敗)

☆豊昇龍「勝って終わらせて良かった。やっぱり先場所が初めて上位で戦ったので、その勉強が良かった。自信はついてきたけど、これからもっと体を大きくしていきたい」

大相撲名古屋場所千秋楽 豊昇龍(奥)は北勝富士をはたき込みで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 豊昇龍(奥)は北勝富士をはたき込みで破る(撮影・森本幸一)

玉鷲(11勝4敗)下手投げ翔猿(4勝11敗)
翔猿(右)は玉鷲を下手投げで破る(撮影・小沢裕)
翔猿(右)は玉鷲を下手投げで破る(撮影・小沢裕)

琴恵光(2勝13敗)吊り出し栃ノ心(7勝8敗)
大相撲名古屋場所千秋楽 栃ノ心(右)は琴恵光を吊り出しで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 栃ノ心(右)は琴恵光を吊り出しで破る(撮影・森本幸一)
栃ノ心(左)は琴恵光をつり出しで破る(撮影・小沢裕)
栃ノ心(左)は琴恵光をつり出しで破る(撮影・小沢裕)

徳勝龍(7勝8敗)突き落とし千代大龍(4勝11敗)

☆徳勝龍「負け越していたけど、最後までしっかりやらないとと切り替えてできたのがよかった。勝って(幕内に)残るとか、そこじゃないんで。最後勝って、来場所につなげようという思いだった」

徳勝龍(左)は千代大龍を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
徳勝龍(左)は千代大龍を突き落としで破る(撮影・小沢裕)

阿武咲(7勝8敗)押し出し照強(8勝7敗)

☆阿武咲「何をしてくるか分からない相手なんで、落ち着いていきました。(15日間振り返り)まだまだです。ムラがありすぎる。稽古しかないですね」

阿武咲(左)は照強を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
阿武咲(左)は照強を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

志摩ノ海(8勝7敗)寄り倒し霧馬山(9勝6敗)

★志摩ノ海「立ち合いが悪かっただけだと思います」

大相撲名古屋場所千秋楽 霧馬山(左)は志摩ノ海を寄り倒しで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 霧馬山(左)は志摩ノ海を寄り倒しで破る(撮影・森本幸一)

妙義龍(5勝10敗)寄り切り大奄美(4勝11敗)
妙義龍(右)は大奄美を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
妙義龍(右)は大奄美を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

宇良(10勝5敗)押し出し千代翔馬(8勝7敗)

☆宇良「気持ちが前に出たんでよかったです。(2桁勝利は)よく実力以上の結果を出せたかなと思います」

大相撲名古屋場所千秋楽 宇良(右)は千代翔馬と激しく突き合う(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 宇良(右)は千代翔馬と激しく突き合う(撮影・森本幸一)
宇良は千代翔馬(左)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
宇良は千代翔馬(左)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

魁聖(6勝9敗)押し出し碧山(7勝8敗)

★魁聖「当たったけど、何もできずに土俵割りましたね。あまりよくない場所でした。疲れたまま始まって、慣れないまま終わった」

大相撲名古屋場所千秋楽 碧山(左)は魁聖を押し出しで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 碧山(左)は魁聖を押し出しで破る(撮影・森本幸一)

英乃海(7勝8敗)寄り切り千代丸(6勝9敗)

☆英乃海「立ち合いフワッとなったが、勝ててよかった。久しぶりの地方なんできつかったですね。通うのに時間がかかる。それがきつかった」

大相撲名古屋場所千秋楽 英乃海(右)は千代丸を寄りきりで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 英乃海(右)は千代丸を寄りきりで破る(撮影・森本幸一)

剣翔(8勝7敗)寄り切り琴ノ若(12勝3敗)

☆琴ノ若(敢闘賞獲得に勝利が条件付けられた一番を制す)「最後までいい相撲を取れた。ガムシャラに出ることだけを考えていた。(三賞は)後からついてくるものと思って意識せずにいけた」

大相撲名古屋場所千秋楽 琴ノ若(右)は剣翔を寄りきりで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 琴ノ若(右)は剣翔を寄りきりで破る(撮影・森本幸一)

一山本(8勝7敗)送り出し千代ノ皇(7勝8敗)

☆一山本(千秋楽勝ち越しに)「ホントよかったです。途中の5連敗がですね。今日はうまく自分の相撲がとれました」

大相撲名古屋場所千秋楽 一山本(左)は千代ノ皇を送り出しで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 一山本(左)は千代ノ皇を送り出しで破る(撮影・森本幸一)

天空海(8勝7敗)寄り倒し石浦(9勝6敗)
大相撲名古屋場所千秋楽 石浦(左)は天空海を寄り倒しで破る(撮影・森本幸一)
大相撲名古屋場所千秋楽 石浦(左)は天空海を寄り倒しで破る(撮影・森本幸一)

協会あいさつ

協会あいさつに臨む八角理事長(中央)。前列左から白鵬、1人おいて照ノ富士、後列右は御嶽海(撮影・小沢裕)
協会あいさつに臨む八角理事長(中央)。前列左から白鵬、1人おいて照ノ富士、後列右は御嶽海(撮影・小沢裕)