西前頭10枚目妙義龍(34=境川)が、大関貴景勝(25=常盤山)をすくい投げで破り、14度目の挑戦にしてようやく初白星を挙げた。

立ち合いは正面から激しくぶつかった。距離ができると、互いに腕を伸ばしたりはたいたりしてけん制。呼び込んでしまい土俵際に追い込まれたが、逆転のすくい投げを決めた。「今までいろいろ考えすぎて勝てなかった。思い切り踏み込んでから、という感じだった」と狙い通りだった。

貴景勝からようやくつかんだ初白星に「初めて勝ったことが大きい」と声を弾ませた。さらに、優勝争いで単独トップに立つ照ノ富士に1差でピタリとつく白星にもなったが「何やろ。特には考えてないけど」と淡々と話した。それよりも「相撲を取れていること、声援をもらえることに感謝してやっています」と話した。

それでも逆転での初優勝を期待する周囲からは、多くの連絡がくるという。報道陣からの質問も相次いだが「足立区遠いのでそろそろ帰ります」と笑いながらかわし、家族が待つ自宅へと帰った。