103年ぶりの快挙に挑む横綱照ノ富士が、序盤5日間を無傷で終えた。同じモンゴル出身の巨漢、逸ノ城を上手投げ。立ち合いから得意の右四つ、左上手で攻めると、体を開いて豪快に投げ捨てた。

初日から5連勝は5場所連続で、先々場所からの連勝は「23」に伸びた。1919年の栃木山以来となる新横綱から3場所連続優勝に向けて、今場所も優勝争いを先頭で引っ張る。

大関とりの足固めを期す関脇御嶽海も、霧馬山を押し出して5連勝とした。立ち合いは相手のもろ手突きに押し込まれたが、巧みにいなして持ち直し、最後は左右のはず押しで制した。目標は先場所に続く2桁勝利。理想的な序盤5日間となった。

大関正代は、ベテランの玉鷲に敗れて2敗目を喫した。もろ差しで主導権を握りかけたが、突き返されるとたちまち引いてしまった。序盤5日間で3勝2敗。優勝争いに向けては厳しい状況となってきた。

勝ちっ放しは照ノ富士、御嶽海、阿炎で3人。平幕で唯一5連勝の阿炎は、三役経験者の北勝富士を一方的に突き放す快勝を収めた。同じく全勝だった阿武咲、妙義龍の平幕2人は初黒星を喫した。

人気業師の宇良は、小結明生に押し出されて4敗目を喫した。元横綱大鵬を祖父に持つ新入幕の王鵬は、輝に押し出されて3勝2敗。同じく新入幕の若元春は千代丸の下手投げに屈して2勝3敗となった。