関脇御嶽海が無傷の9連勝で単独首位を守り、目標に掲げる2場所連続の2桁白星に王手をかけた。 立ち合いから隠岐の海の懐に入り、もろ差しで一方的に寄り切った。大関とりの足固めを期する今場所。19年秋場所以来3度目の優勝に向けても突っ走る。 御嶽海を1差で追う横綱照ノ富士は、北勝富士を退けて勝ち越しを決めた。 2敗勢では阿炎、宝富士、琴恵光、琴ノ若の4人が優勝戦線に残った。 大関正代は小結明生に敗れて4勝5敗と、勝ち越しに向けて苦しい星勘定となった。 人気業師の宇良は逸ノ城との熱戦に敗れて、4勝5敗で黒星先行となった。 新入幕で元横綱大鵬を祖父に持つ王鵬は、豊山を破って6勝目。同じく新入幕の若元春は、照強を退けて5勝4敗と白星を先行させた。

大相撲初場所9日目を写真で振り返ります。

大相撲初場所 全取組結果



碧山(4勝5敗)引き落とし大奄美(5勝4敗)
碧山(手前)を引き落としで破る大奄美(撮影・鈴木正人)
碧山(手前)を引き落としで破る大奄美(撮影・鈴木正人)

琴ノ若(7勝2敗)押し出し栃ノ心(4勝5敗)

☆琴ノ若「しっかり前に出て流れよく相撲が取れた。こういう相撲が続いていけばいい。自分の持ち味を出し切って1日一番、いい相撲を心がけていきたいなと思います」

栃ノ心(左)を押し出しで破る琴ノ若(撮影・野上伸悟)
栃ノ心(左)を押し出しで破る琴ノ若(撮影・野上伸悟)

王鵬(6勝3敗)すくい投げ豊山(4勝5敗)

☆王鵬「立ち合いでしっかり当たれて手も伸びた。立ち合い以外は後手になったけど、立ち合いが良かったから白星につながったと思います」

★豊山「立ち合いは勝っていたと思う。それだけに悔しいですね。引かれた時に跳ね返せたらよかった。最後のツメですね。相手のいやがるような相撲をもう少しとりたい」

豊山(右)をすくい投げで破る王鵬(撮影・野上伸悟)
豊山(右)をすくい投げで破る王鵬(撮影・野上伸悟)
豊山(左)をすくい投げで破る王鵬(撮影・鈴木正人)
豊山(左)をすくい投げで破る王鵬(撮影・鈴木正人)
豊山(右)をすくい投げで破る王鵬(撮影・野上伸悟)
豊山(右)をすくい投げで破る王鵬(撮影・野上伸悟)

千代丸(5勝4敗)押し出し魁聖(5勝4敗)

☆魁聖「相手は突っ張ってくると思って、下からいこうと思ってうまくいった。途中、腰がやばかったけど。5番勝ったんで、早く勝ち越しできたらと思う」

千代丸(左)を押し出しで破った魁聖(撮影・野上伸悟)
千代丸(左)を押し出しで破った魁聖(撮影・野上伸悟)

琴恵光(7勝2敗)寄り切り千代大龍(3勝6敗)
千代大龍(右)を寄り切りで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)
千代大龍(右)を寄り切りで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)

石浦(5勝4敗)下手ひねり剣翔(3勝6敗)

★剣翔「左から入ってくるのは予想していたが、うまくひねられてしまった。仕方ないです。止まった時に下手投げを警戒して右足を干てしまった。引かなかったらひねりは食わなかったと思う」

剣翔(奥)を下手ひねりで破る石浦(撮影・野上伸悟)
剣翔(奥)を下手ひねりで破る石浦(撮影・野上伸悟)

若元春(5勝4敗)寄り切り照強(3勝6敗)

☆若元春(照強は)何をやってくるか分からない相手なので、踏み込みすぎずによく見ていった。内容はよかったと思うけど、内心は怖かったです。(この日は祖父の元小結若葉山の命日で)少し思う所はありました。(土俵入りの時に)おじいちゃんと同じデザインの化粧まわし着けている時が1番考えましたね。勝たないといけないなと思いました」

塩をまく照強(撮影・野上伸悟)
塩をまく照強(撮影・野上伸悟)
若元春(右)に寄り切りで敗れる照強(撮影・鈴木正人)
若元春(右)に寄り切りで敗れる照強(撮影・鈴木正人)

千代の国(0勝9敗)送り出し佐田の海(5勝4敗)

☆佐田の海「立ち遅れたがうまく反応できてよかった。(通算600勝の節目に)数字は気にしていないが、それだけ長くやっているなという思いだけです」

千代の国(手前)を送り出しで破る佐田の海(撮影・鈴木正人)
千代の国(手前)を送り出しで破る佐田の海(撮影・鈴木正人)

一山本(4勝5敗)押し出し翔猿(5勝4敗)

☆翔猿 思い通りの相撲がとれてよかったです。(白星先行に)気持ち的には楽です。ここから頑張ります」

一山本(右)を押し出しで破る翔猿(撮影・鈴木正人)
一山本(右)を押し出しで破る翔猿(撮影・鈴木正人)

天空海(1勝8敗)突き落とし宝富士(7勝2敗)

☆宝富士「立ち合いで左が入ったので、あとは落ち着いて自分の相撲がとれればと。(9日目で7勝目に)いつもこんなに勝っていないのでうれしいですね」

天空海(手前)を突き落としで破る宝富士(撮影・鈴木正人)
天空海(手前)を突き落としで破る宝富士(撮影・鈴木正人)

妙義龍(4勝5敗)引き落とし阿炎(7勝2敗)

☆阿炎「立ち合いからあまり覚えていないが、体が勝手に動いてくれたと思う。(連敗ストップも)師匠(元関脇寺尾の錣山親方)から「勝ち負けは気にするな」と言われているので、気持ちの面では気にしていない。今までの自分なら立ち直るまで時間がかかっていたと思う」

引き落としで妙義龍(右)を破る阿炎(撮影・野上伸悟)
引き落としで妙義龍(右)を破る阿炎(撮影・野上伸悟)

志摩ノ海(4勝5敗)肩すかし千代翔馬(4勝5敗)

☆千代翔馬「今日は絶対に引かないと思っていた。負ける時はいつも引いていたんで。動きながらの肩すかし。流れですね」

志摩ノ海(左)を肩すかしで破る千代翔馬(撮影・鈴木正人)
志摩ノ海(左)を肩すかしで破る千代翔馬(撮影・鈴木正人)

豊昇龍(6勝3敗)押し出し遠藤(2勝7敗)

☆豊昇龍「思った通りにできて良かった。体もよく動いているので、残りの相撲も1日一番と思って頑張りたい」

遠藤(右)を押し出しで破る豊昇龍(撮影・鈴木正人)
遠藤(右)を押し出しで破る豊昇龍(撮影・鈴木正人)

宇良(4勝5敗)寄り切り逸ノ城(5勝4敗)

☆逸ノ城(宇良は)いろいろやってくるが、あわてずいこうと思った。やりにくさはあるが、今日は思った通りの相撲がとれてよかった」

寄り切りで宇良(手前)を破る逸ノ城(撮影・野上伸悟)
寄り切りで宇良(手前)を破る逸ノ城(撮影・野上伸悟)
逸ノ城(左)に寄り切りで敗れた宇良(撮影・鈴木正人)
逸ノ城(左)に寄り切りで敗れた宇良(撮影・鈴木正人)
逸ノ城に寄り切りで敗れた宇良(撮影・鈴木正人)
逸ノ城に寄り切りで敗れた宇良(撮影・鈴木正人)

若隆景(4勝5敗)押し出し玉鷲(6勝3敗)

☆若隆景「下からよく攻められた。(17日が祖父、元小結若葉山の命日)そういうのよりも、1日一番相撲に集中するだけ」

玉鷲(手前)を押し出しで破る若隆景(撮影・鈴木正人)
玉鷲(手前)を押し出しで破る若隆景(撮影・鈴木正人)

霧馬山(3勝6敗)寄り切り大栄翔(3勝6敗)
寄り切りで大栄翔(左)を破る霧馬山(撮影・野上伸悟)
寄り切りで大栄翔(左)を破る霧馬山(撮影・野上伸悟)

阿武咲(6勝3敗)押し出し隆の勝(5勝4敗)

☆隆の勝「今場所1番の相撲かなと思うし、後半戦でこれだけ反応できたのはよかったと思う。(白星先行で)そんなに余裕はないが気持ち的には楽になる。もっと積み重ねていきたい」

★阿武咲「今日は自分が弱かっただけ。押し相撲同士で押し負けた。でも今日は今日なので、明日思い切ってやるだけ」

阿武咲(奥)を押し出しで破る隆の勝(撮影・野上伸悟)
阿武咲(奥)を押し出しで破る隆の勝(撮影・野上伸悟)

御嶽海(9勝0敗)寄り切り隠岐の海(2勝7敗)

☆御嶽海「しっかり集中して、相手の分析もしながら取れたんじゃないかと思う。(2桁白星に王手)しっかり目標達成できるように白星重ねていきたい」

寄り切りで隠岐の海(奥)を破る御嶽海(撮影・野上伸悟)
寄り切りで隠岐の海(奥)を破る御嶽海(撮影・野上伸悟)

明生(4勝5敗)寄り倒し正代(4勝5敗)
正代(右)を寄り倒しで破る明生(撮影・野上伸悟)
正代(右)を寄り倒しで破る明生(撮影・野上伸悟)
正代(左)を寄り倒しで破る明生(撮影・鈴木正人)
正代(左)を寄り倒しで破る明生(撮影・鈴木正人)
明生対正代の一番で物言いが付き協議する審判団。中央は式守伊之助(撮影・野上伸悟)
明生対正代の一番で物言いが付き協議する審判団。中央は式守伊之助(撮影・野上伸悟)

照ノ富士(8勝1敗)下手投げ北勝富士(3勝6敗)

☆照ノ富士「良かったと思います。(無理に寄り立てずに投げで決める)落ち着いてやろうと思ってましたけど、結果的にそうなった。(勝ち越しについて)場所終わったわけじゃないので、残り頑張っていきたいと思っています」

★北勝富士「左おっつけで差されないようにしたかったが、つかまったら横綱には勝てない。自分の実力不足でしたね。先場所は番付を落として初口(幕内最初の取組)を経験したんで、結びで相撲をとれたのは自分の中でもよかった」

下手投げで北勝富士(手前)を破る照ノ富士(撮影・野上伸悟)
下手投げで北勝富士(手前)を破る照ノ富士(撮影・野上伸悟)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる照ノ富士(撮影・鈴木正人)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる照ノ富士(撮影・鈴木正人)