大相撲初場所で3度目の優勝を果たし、事実上の大関昇進を決めた関脇御嶽海(29=出羽海)が24日、都内の部屋で一夜明け会見を行った。

初場所では自身初の三役で2場所連続2桁白星を挙げ、千秋楽結びの一番で横綱照ノ富士を破って優勝を決めて大関昇進目安の「三役で3場所33勝」に到達するなどした。相撲内容も評価され、審判部が八角理事長(元横綱北勝海)に大関昇進をはかる臨時理事会の招集を要請し、了承された。理想の大関像を問われると「近寄れない大関って言われたいですけど、それは僕の性格上無理なので、フランクな大関でいきたいです」とおどけた。

初日から9連勝した初場所は、10日目に同期でライバルの北勝富士に連勝を止められた。気持ちが落ちても仕方がない場面だったが「完膚なきまでにやられたのでスッキリした。また明日から自分の相撲に徹してやると思いました。絶対に明日白星を取ってやるぞという気持ちが強かったですね」と結果的に、同期に負けたことで気合が入った。

その後は白星を積み重ね、優勝を意識したのは14日目の宝富士に勝った時だったという。それまでは「大関という地位に1歩でも近づくために、11勝、12勝しなといけないと思っていた」と大関とりの足固めを強固にすることに意識を置いていたという。ただ、宝富士戦で勝った相撲が「内容がすごくよかった」と優勝出来る手応えを実感。そして、千秋楽で直近では7連敗中と合口の悪かった照ノ富士を撃破。「我慢して取れた。いい一番だった」と振り返った。

今年に懸ける思いが強かった。12月で節目の30歳を迎える。「明るいのもそうだけど、諦めるのも早いですし、落ち込みやすいというのも正直ありますね」と自分の性格を分析。だからこそ、節目の年を迎える前に大関昇進を決めたかったという。また、同じ学生出身の正代に大関昇進を先に越されたことも刺激になったという。「20代最後。一番体も動ける時期だったので、ここで取れないととは思いました。いつも以上に気を引き締めていきました」と胸の内を明かした。

26日の臨時理事会、春場所の番付編成会議をへて、大関昇進が正式に決まる。伝達式での口上については「シンプルにいきます」とすでにイメージはしているという。長野出身では雷電以来227年ぶりの大関誕生。歴史的快挙も「さらにもう1個上はあるので、そこは狙わないといけない。もう少し待っててもらいたいですね」と早くも同県初の横綱昇進を見据えた。