2年3カ月ぶりの出稽古解禁から11日目となった16日、千葉・松戸市にある佐渡ケ嶽部屋に、平幕の王鵬(22=大嶽)と新十両昇進が決まった幕下の豪ノ山(24=武隈)が足を運び、佐渡ケ嶽部屋で三役目前の琴ノ若(24)、琴勝峰(22)らと活気のある稽古で汗を流した。

埼玉栄高で同級生だった王鵬と、同高で1年先輩にあたる豪ノ山を迎え入れる形となった琴勝峰は、約1時間にわたる関取衆と豪ノ山、さらには出稽古組の高安(32=田子ノ浦)らとの申し合いで14番取って7勝7敗。普段も部屋の関取衆と充実の稽古を行っているせいか、この日の稽古も「まあまあ、いつも通り」と特別感はない様子。それでも「立ち合いでしっかり当たる。当たった後もバタバタすることがある。立ち合いも大事だが、その後も大事」とテーマを持って臨んでいる。

懐の深さとスケールの大きな相撲で、昨年初場所では自己最高位の東前頭3枚目まで番付を上げた。だが、その後はケガもあって伸び悩み十両にも陥落。1年ぶり再入幕の春場所こそ9勝6敗と勝ち越したが、5月の夏場所は逆に6勝9敗と負け越した。今は相撲の形にこだわっており「まわしを取って、前かがみになって、相手の懐に入る。ガップリじゃなく、自分が下にという形がいいなと思っています」と、最後は寄りで勝負を決めるという理想を追い求める。だから、先場所の負け越しも「前傾姿勢が保てていない。伸び上がって慌てちゃった相撲が多かった」と冷静に分析できる。そこが名古屋場所(7月10日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けた修正点になる。大器の花を咲かせるためにも、今はしっかり地力をつける時だ。