横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が秋場所10日目の20日、日本相撲協会に「両変形性膝関節症、右膝骨挫傷で3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。9日目に高安に敗れ、今場所4個目の金星配給。5勝4敗と不振だった。横綱昇進後では2度目の休場で、今場所は横綱不在となった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は、膝の状況について「場合によっては手術も必要になる」と明かした。

1度目の大関時代だった17年から両膝の状態が悪くて休場が相次ぎ、幕下陥落後の18年6月に両膝の手術を受けた。その後は4場所連続で全休。19年春場所での序二段からの復帰後は、みるみる番付を上げて21年名古屋場所後に新横綱昇進。それでも、両膝とは常に厳しい付き合いを強いられていた。伊勢ケ浜親方は「前から痛み止めの注射を打ちながらやってきた。これ以上打つと靱帯(じんたい)が弱くなると医師に言われた」と説明。特に右膝の状況が悪く「骨が完全にずれている」と明かした。

手術の判断については「炎症は何日間かで治まると思う。それからだと思う」と患部の状況に注視しながら見極める。場所後の10月には、都内のホテルで横綱昇進披露宴を予定している。コロナ禍での横綱昇進だったためようやくの開催となり、本人も心待ちにしていたが思わぬ休場となってしまった。手術に踏み切れば長期離脱の可能性もある。復活に向けて、厳しい道のりが待っている。