大相撲九州場所は17日に5日目を迎える。すでに全勝力士がいなくなるなど、波乱の展開だ。この記事には、三役以上の相関図をつけた。横綱から小結まで、4日目までの成績とともに今場所の見どころをあらためて紹介する。

【横綱】1人横綱の照ノ富士は、10月に両膝の手術を受けた影響もあり、初日から休場。復帰はまだ先になりそうだ。

【大関】貴景勝は2年ぶり3度目の優勝を目指したい。初日、2日目と連勝発進したが、その後連敗。今後の巻き返しが期待される。

熊本出身の正代は、5度目のかど番でご当地の場所を迎えた。好スタートとは言いがたいが、最近4場所連続で5日目時点で1勝4敗だっただけに、決して悲観する状況ではない。

【関脇】5場所連続で関脇の若隆景は7月に8勝、9月に11勝と積み上げてきた。大関昇進の目安は三役で直近3場所合計33勝といわれる。これを目安にすれば、今場所は14勝以上で大関昇進の可能性もあるように思えたが、すでに2敗。来場所以降の昇進に向け、少しでも白星を挙げておきたい。また9月の秋場所終了時点で今年49勝を挙げており、年間最多勝レースを引っ張っている。

新関脇の豊昇龍は3連勝後に黒星。連敗せずに優勝争いを引っ張っていきたいところだ。大関から陥落した御嶽海は、2ケタ勝利を挙げれば大関に復帰できる。ここまで3勝1敗と悪くない。残り11日間で7勝が最初の目標になる。

【小結】幕内最年長の玉鷲は4日目に38歳の誕生日を迎えた。3連敗発進も4日目に白星を挙げた。初土俵からの連続出場記録は、4日目を終えて1467回(歴代3位)。2位の富士櫻(1543回)へじわりと近づいている。

霧馬山は2場所連続の小結。先場所は9勝しながら小結にとどまった。今場所も勝ち越しての新関脇昇進を狙う。

翔猿は新小結。30歳6カ月7日での新三役は、年6場所制となった1958年(昭和33年)以降に初土俵を踏んだ力士では、6位の高齢記録だった。3勝1敗と好スタートを切っている。

大栄翔は関脇から陥落して小結。4小結は、2019年(令和元年)九州場所の阿炎、遠藤、北勝富士、朝乃山以来3年ぶりとなっている。

【優勝力士は?】今年は初場所から5場所連続で異なる力士が優勝している。御嶽海、若隆景、照ノ富士、逸ノ城、玉鷲が優勝しており、この5人以外が九州場所を制すれば、年6場所すべて異なり、31年ぶりの珍しい記録になる。