10勝以上で大関返り咲きだった1月の初場所で、6勝9敗に終わった関脇正代(31=時津風)が、休場も考えるほどの負傷をしていたことを明かした。初戦の2回戦で遠藤に敗れた後、昨年12月下旬の稽古中に右足親指を負傷していたと告白した。「蹴り足の親指なので、ずっと立ち合いに違和感があった。痛みが強かったのもあって、ケガしてからは相撲を取る稽古ができなかった。休場も考えたけど、出続けることに意味があると思った」と、痛みに耐え、歯を食いしばって出場していた内幕を吐露した。

初場所は8日目にして6敗目を喫し、早々に大関復帰の可能性が消滅した。初日前日だった1月7日に病院で痛み止めの注射を打ち、場所中は連日、3種類の痛み止め薬を服用していた。テーピングは右足の親指と人さし指の2本、中指、薬指、小指の3本をグルグルに巻き、足首もガッチリと固めて極力、踏み込む際の力が分散されないように努めた。それでも「うまく踏み込めなかった」という。ただ、大関復帰の可能性が消えた8日目にようやく「感触があった」と、好転できると確信。事実、そこから4連勝で、6勝6敗と星を五分に戻したが「終盤にもう1度痛めてしまった」という不運で、最後は3連敗を喫した。

ケガしたことについて、当初はこの日も口をにごしていたが、報道陣の追及に覚悟したように口を割っていた。ただ「もう大丈夫です」と、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)は万全を強調。「次は平幕に落ちると思うけど、頑張って、欲を言えば2ケタ勝ちたい」。少し笑顔を見せながら、復活を誓っていた。